一日遅れとなりましたが、2008年あけましておめでとうございます。


よろしければ今年もよろしくお願いいたします。


正月SSなんぞを書いてみたのでよろしければどうぞ。一つ正月イベントじゃないものも含まれていますが・・・。


それでは、よろしければ下にスクロールしてください。





















正月SS














書き初め編〜いつもの三人〜








「新年の祝にするというニッポンの「かきぞめ」の話から、城のみんなで「書き初め」をしたわけだけど・・・」


「・・・・・・言いたいことは何となくわかるよコンラッド。なんか、勘違いしてるやつがいるような気がする」


「おい、ユーリ書けたぞ。見ろ、これがぼくの「かけぞめ」だ!」


「ヴォルフ・・・なんか見たくない気もするけど」


「どういう意味だ!?お前は婚約者の愛がこもった「かけぞめ」を見ないとは何事だ!」


「いや、やっぱりお前勘違いしてるって!第一「かけぞめ」じゃなく「書き初め」だ!」


「しょうがないな、おいヴォルフ、ちょっと俺に見せて・・・」


「何でコンラートに見せなければならないんだ!お前にぼくの婚約者への愛が理解できるとは思わない。却下だ・・・こら、見ようとするな!まずはユーリに見せるんだ」


「おやおや、ひとに見られたら困るようなことでも書いたのか」


「違う!ただぼくはユーリと今年こそ結婚できるようにと!・・・・・あ」


「・・・・・・やっぱりそんなのか」


「語るに落ちちゃいましたね。へえ「祝結婚」か、めでたいね」


「「祝結婚」!?ちょっと見せて・・・ってむずかしい字だから読めないし・・・・と、とにかく。
ヴォルフ、書き初めは一年の目標みたいなのを書くというか、ええとそうでないものも書くけど、とにかく!勝手に未来を捏造するのはやめろよ!」


「捏造じゃない!いい加減往生際が悪いぞユーリ、婚約者として恥ずかしいぞ。今年はいい加減ぼくと結婚しろ」


「だからおれたち男同士・・・コンラッドも何とか言ってくれよ」


「そうですね、ヴォルフ、これがユーリの「書き初め」なんだが・・・」


「なんだこれは、ぼくには読めないぞ?」


「ニッポンの字だからね。これは「西部優勝」と書いてあるんだが・・・」


「せいぶ!?誰だそれは、男か!?」


「ある意味男かな・・・とにかく陛下にとってとても大切なものなんだ」


「・・・・・・こ、のっ浮気者ー!ぼくという婚約者がありながら、手一つ握らないしおかしいと思っていたが・・・!」


「お、おいコンラッド!?ヴォルフをあおってどうするんだよ!?」


「いやいや、俺は「今年も陛下と弟は元気に」と書いたので」


「関係ないだろ!?」

























花札編〜次男と三男〜







「コンラート、なんだこれは?」


「ん、これはユーリの故郷であるチキュウのニッポンでのカードゲームで「花札」というものだ」


「・・・は、はなふで?」


「花札だ。筆じゃない。
花札は一年の十二のそれぞれの月の種類のカードがあって、さらにそれが四枚あるんだ」


「じゅ、十二種類もあるのか!・・・憶えるのが大変そうだな」


「そうでもないよ、ほら綺麗なカードだろう?それぞれの季節の花や木の絵が描いてあるからわかりやすい」


「確かになかなか派手なカードだな」


「二人以上でやるゲームなんだ。
裏にして八枚ずつお互いと場において手札から役を集めて、役を早く集めた方の勝ちというゲームだ。それぞれの種類のカードと同じカードを手札から出して、場のカードと合わせて、それから山からもう一枚引いて・・・」


「・・・・・・なんかややこしそうだな。ぼくはいい、人間の遊びに興味はない」


「まあ、そういうなって。もう少し見ていけよ・・・ほら、これは荻に猪で7月のカード、ユーリの誕生月のカードだ」


「ユーリの?・・・・・・まあまあ華やかなカードだが、この動物は何だ?」


「これは猪といって、チキュウの山に生息する動物なんだ。この世界で言う羊と同じような生き物で真っ直ぐにすごい速度で突進する。たまに木にぶつかったりもしているらしいけど」


「ある意味ユーリらしいな、ぼくのカードはどれだ?
えーと、ぼくの誕生月は・・・しまった、忘れた」


「たしか春だったろうから、これじゃないかな、三月で桜に幕」


「確かにぼくは春生まれだが、三月だったか?」


「たぶんその辺だった気が・・・それにほらこのカードはかわいいから、ヴォルフにぴったりだし」


「何だと!?どういう意味だ!」


「そのままの意味だって、ほらそんなに怒るなよ。余計かわいいだけだって」


「黙れ!かわいいって言うな!!じゃあ、お前のカードは何だっていうんだ!」


「俺?俺は夏生まれだから、ユーリと同じってことで」


「何だと、この不埒もの!ユーリと同じになんてさせないぞ、別のにしろ!」


「別のって、そんなにこだわらなくても・・・・・・あ、もしかして妬いた?」


「・・・・!!べ、べつにそういう意味じゃ//////」


「?変だな、いつもなら「ユーリに手を出すな!」って怒ってるのに」


「!!!?」


「ああ、そうか。うれしいな、俺にじゃなくてユーリに妬いたのか」


「!!?・・・ち、違う違う違う、ちがーう!!」

















門松編〜長男と毒女とお庭番〜






「かっか〜、ただいまグリエ・ヨザック帰りました〜・・・・・・・って、なんだこれ?」


「・・・・・・グリエ、もうすこし上官を敬って入ってきてほしいのだがな。扉を蹴ったりせずにな」


「あ、すいません、閣下に頼まれた各地のあみぐるみで両手がふさがってまして・・・・・・閣下、任務から帰って早々ですが、何ですこれ?」


「・・・・・・その前に、荷物を床に下ろせ。そっとだ、いいか、そっとだぞ・・・・・・よし、ご苦労だった。
うむ、陛下のチキュウで言う「かどまつ」というものらしい。ちょうど陛下が呼び出されたとき、むこうは「しょうがつ」だったとかで大賢者が持ってきたらしい。
なんでも新年の折に門に飾り、幸運を祈り邪を払うという縁起物らしい。城の門に置くにはいくら何でも小さすぎるので執務室の前に飾っている」


「へえ、なんか変わってますね。チキュウの習慣ってのは、それにしてもずいぶん埃をかぶってますね?」


「一月ほど置いているからな、本来は一週間程度しか出しておかないものらしいが・・・少しな」


「そんなに置いてるんですか?いい加減しまった方がいいんじゃないですか、何なら俺が片付けますけど」


「いや、いい・・・・・・やめろ!それに触るな!!」


「へ?・・・・・・うわ!閣下大丈夫ですか、顔色がおかしいですよ。そこはかとなく紫っぽいです」


「これ以上おかしくさせたくなかったらそれに触るな!・・・・・・いいかよく聞け。
これを執務室に飾るのは最初は気が進まんかった、無用なものだからな。が、邪魔にもならんと思って放っておいた。ところがだ・・・・・・」


「ところが・・・ですか?」


「・・・・・・これを飾って一ヶ月、アニシナの実験体にされることがピタリとなくなったのだ」


「・・・・・・・・・・・・」


「私もまさかと思った、そんなただの縁起物で本当に魔除けの効果があるとは思っていなかった。
ただの迷信だとはなから気にしていなかった・・・しかし、しかしだ!今までこんなことはなかった、アニシナが同じ城にいて三日以上実験されないことは!」


「・・・・・・・・・・・・」



「信じられなかった・・・しかし、おかげでここ一ヶ月は平穏だった。それは本当だ」


「・・・・・・閣下、一ついいですか?」


「私とて今も半信半疑・・・・・・何だ、何か言いたいことがあるのか?」


「さっきアニシナちゃんとすれ違ったんですが、そのときに「今度の魔動装置は大作でしたね、作成に一ヶ月もかかってしまいました」って言っていたように聞こえたんですが・・・・・・」


「うるさい、うるさいぞ、グリエ!そんな話は聞きたくない!!」


「で、さらにその後「さっそく、もにたあを調達しなくては」って言って走って・・・・・・」


「うるさい、そんなことは信じないぞ!私は「かどまつ」の守護を信じる!」


「え、でもさっき半信半疑って・・・」


「黙れ、出て行けー!」


「う、うわ・・・・・・閣下ー!?」


























 



すいません花札は正月には関係ないですね・・・でもナナカマドの家では正月にやります。
ルーツとか正確かどうかもわからないです・・・・・・。





2008/01/02