「異文化コミュニケーション編〜中華料理」  ほのぼのギャグコンプ?







注:「今夜マ」〜「明日マ」の間の話です。






「ユーリ、この浮気者!お前またコンラートと一緒に・・・・!ってユーリはどこだ?」

「どこだって、陛下ならギュンターと勉強の時間だから厨房にはいないよ」

「なに?じゃあ、お前はユーリがいないのに何で厨房にいるんだ?」

「なんでって、料理をしてるんだけど」

「料理?お前が?」

「そうだよ、昔はお前が風邪を引いたときには卵酒を作ってやっただろ?」

「ああ、そうか・・・・・・・・・・・・!!?そんな昔のことは忘れた!」

「そりゃ、残念。
じゃあ、そこに座ってこれをこねてくれ。耳たぶの硬さになったら三つに分けて」

「は?何でぼくがそんなことを」

「これは陛下の故郷の料理なんだ。
確か「らーめん」という麺料理でチキュウではもっとも食べられているはずなんだけど・・・・」

「だから、何でぼくが・・・・!」

「陛下は今チキュウに帰ることが出来なくてそうは見せないがとても寂しい思いをされている。
つらい思いをなさっている陛下に故郷の料理を食べさてやりたいとは思わないか?」

「・・・・ふん、お前は全くユーリに甘いな」

「ヴォルフラムほどじゃないさ・・・・・・あ、今度はそれを煮るから取ってくれ」

「ふん、ユーリのためなら仕方ない・・・・・・コンラートこれは何だ」

「何って、骨だけど」

「骨ぇ!?何を考えているんだ!お前は何をユーリに食べさせる気だ!?」

「まあまあ、チキュウのチャイナの料理はテーブル以外のものは足の付いたもの全て食べてしまう習慣があって、骨も料理に使うんだ。しかも、チャイナの料理は世界で三大料理に数えられている素晴らしい料理らしいんだ」

「な、なんという・・・・・・しかし、これをユーリに食べさせるのは婚約者として」

「ヴォルフラム、偏見でものを見てはいけないぞ。
骨だって料理に使える、しかもうまいなんて素晴らしいじゃないか」

「し、しかし・・・・・・」

「お前だって軍の訓練の時に蛇でも何でも食べられたっていってただろう?
しかもまずいとは言っていなかったじゃないか」

「う・・・・・・確かに、そうだが、でも・・・・・・」

「意外と試してみるとうまい食材が意外なところにあるものなんだよ。
ユーリだっては虫類や両生類は未だ苦手だがいつかは挑戦してみたいと言ってらっしゃったし、未知のものを試すことに熱心な婚約者の気持ちは分かるだろう?」

「ユ、ユーリも・・・・・・・・・わかった、でも」

「?でも?」

「ところでこれは何の骨なんだ?この骨は何というか・・・・・・」

「何というか?」

「見慣れたような・・・・・・・・・!!!?うわあああああ!?動いたああああ!!?」

「ああ、ヴォルフがそんなにあちこち触るからくすぐったかったんだな。よしよし、悪かったな」

「な・・・・・・こ、骨飛族か」

「ああ、未知の味に挑戦しようと思ってチキュウにはないものを使おうと思ってね」

「骨飛族のだし汁・・・・・・確かに前代未聞だな」

「そう、他には生きたままだしが取れてしかもだしを取り終わったら陛下の言う「りさいくる」でそのまま骨飛族として空を飛ぶことが出来る。殺生無しで食べられるなんて陛下にぴったりだと思うんだ」

「・・・・・・・・・確かに、他にそんな食料はないだろうな」

「だろう?さ、今度はこの骨地族を茹でないと・・・・・・」

「こ、骨地族も使うのか?もっと普通の材料で作ればいいんじゃないのか?
何もそんな前例にないものばかり使わなくても、そのチャイナとやらの料理は作れるのではないか?
骨飛族なんて元々チキュウにいないらしいし」

「まあ、陛下にお食べしてもらおうと思って色々試してどの料理法が最適か調べようとしていたら未知のものを試すと言うことに」

「何だそれは・・・・・・まあ、いい。お前が大ざっぱなのは昔からだしな。今更、治るものでもないだろう。
・・・・・・ほら次は何をすればいいんだ?何か言え」

「え、まだ手伝ってくれるのか?」

「一度手伝うと言ったのだから、手伝う。ぼくに二言はないからな」

「そうか・・・・・・はは、ありがとう」

「べ、別にお前の為じゃない。さっさとするぞ。あ、ちゃんと味は確かめるからな。
未知の材料で作っておいて味も確かめずにユーリにそのままだせないからな」

「ああ、じゃあ今度はこのツノガエルの心臓を・・・・・・」







・・・・・・・・・・数十分後・・・・・・・・・







「た、たいへんだーーーーーーーーーーーーー!!ちゅ、厨房で・・・・・・・閣下たちが!」

「ウェラー卿とフォンビーレフェルト卿が厨房で倒れているぞ!!」

「早く衛生兵を!・・・・・・しかし、一体何が」

「2人とも同じスプーンらしきものを持っていらっしゃいますが・・・・・・」



















ウェラー卿の危険なチキュウ知識はいつか何かを起こす気がします。

もっともこれは、次男の単にアイデアが怖いだけという気もしますが・・・・・・。











「異文化コミュニケーション〜中華料理編A」  コンプと見せかけてコン→プー←村










一日を終えて自室に帰ってみるとベットの上に誰かがドアに思いっきり背を向けてと体育座りしていた。



「・・・ヴォルフラム?」



見慣れた蜂蜜色の髪が後ろを向いて座っている人物の頭にのっていた。コンラートの知るかぎり母と弟以外にこんな髪を持つ人物を眞王陛下以外に知らない。



「どうしたんだ?こんな遅くに何か用事が?」

「・・・・・・」



こちらに背を向けたままで返事はない。やれやれ、何かしらないがまた怒っているらしい。

コンラートはヴォルフラムの相手の前に机に剣を置いた。と、机のうえに見慣れないものがあった。いつもならメイドが用意してくれた簡単な夜食がまだ湯気をたてているはずだ。メニューとしては日によって差はあるもののサンドイッチにスープといったところか。

しかし、今日机の上に置いてあるものはコンラートは見覚えないものだった。いや、見たこと自体はあるのだが・・・



「ヴォルフラム、どうしたんだ?これは?」




机の上にはまだ湯気をたてている、チキュウで言うところの中華料理の一つ、蒸し饅頭がのっていた。

眞魔国でチキュウの料理を見ると思っていなかったコンラートはヴォルフラムが体育座りしているコンラートの寝台に腰掛けると尋ねた。




「陛下がこれを作ってくれてお前が持ってきてくれた・・・・・・とか?」

「違う!」



真っ赤な顔をして怒られた。そんなに大声を出すと喉を痛めそうなのにマシンガントークは続く。




「勝手に早とちりするな!ユーリがお前に料理なんかするか!婚約者のぼくを差し置いて・・・!」

「はいはい、ごめんな。俺の早とちりだ」




椅子を引きながら、まあそうだろうなと思う。ユーリ陛下は庶民的だが話をする上であまり料理をするような話を
聞いたことはなかった。こんな凝ったものを作ることは無理だろう。




「でも、これはチキュウの料理だろう?陛下じゃないかなと」

「・・・大賢者に教わった」

「え」

「だから!大賢者に教わったと言っているんだ!」




確かに、長い記憶の歴史をもつ大賢者なら中華料理にも詳しいだろう。
それなら・・・成程、そういうことか。

コンラートは自然に口元に浮かんできた笑みをこらえながら、強情で素直な弟をからかう。




「え、倪下が作ってくれたのか?」

「え・・・ち、違う!」

「へぇ、じゃあこれは誰が作ってくれたのかな?」

「・・・・・・それは」

「誰が作ってくれてヴォルフラムが運んできてくれたんだ?」

「っ・・・・・・コンラート!分かっていていっているだろう」




おや、バレた。最近は勘が鋭くなってきたな。昔はまずバレることはなかったのに、少し淋しい。




「ごめんごめん、お前が俺のために作ってくれたんだよな」




しかもわざわざ部屋で待ってくれているなんて。コンラートは笑いを噛み殺しながらヴォルフラムの蜂蜜色の髪に手を伸ばして小さい頃のようによしよしと撫でた。ヴォルフラムの頭はすぐにぐしゃぐしゃになったがコンラートも実は結構照れていたので御愛敬である。

ますますヴォルフラムの怒りがいつものように増すだろう・・・・・・と思っていたらヴォルフラムはふいとうつむいて表情を硬くした。



「・・・・・・大丈夫か?」

「?何か」

「さっき、ぼくがお前に撫でられたときに突き飛ばして、それでその時皿が割れて、血が・・・・・・」

「ヴォルフ・・・・・・」



コンラートの胸にほわんとしたものが広がった。どうしよう、頬が緩んでしょうがない。

昼間のお茶会でついついヴォルフラムをからかいすぎたコンラートにヴォルフラムが怒ってそんなこともあった。改めて思い出すとさすがのコンラートもやり過ぎたと思っていたのだが、ヴォルフラムはコンラートの小さな傷を見て真っ青になると顔を背けて走っていってしまったのだ。



(折を見て話をしようと思っていたんだが、こんなことをしてくれるなんてな)



全く、可愛いにほどがある。コンラートは珍しく黙り込んで眼前のヴォルフラムに魅入ってしまった。



「何がおかしい・・・」




目を逸らしてヴォルフラムは治癒の術をコンラートにかけた。ほとんど消えかけていた傷が完全に消える。




「そんなたいした傷じゃないよ。ほとんど治っていたし」

「お前はユーリの護衛だろう。いざというとき怪我をしていたじゃ話にならないし・・・・・・それに」

「それに?」

「・・・・・・さっきは悪かった」

「いいよ、おれもからかいすぎた」

「・・・・・・ふん、それもそうだな。でも、悪かった・・・・・・」

「ああ、でもこんなに異世界の料理を作ってくれるほど悪いと思わせるなんてな・・・・・・ありがとう。
・・・・・・・・・・・しかし、何で猊下に料理を?」

「ああ、大賢者が言うにはチキュウのニッポンでは縁起物だといってわざわざぼくの部屋にきて教えてくれたんだ。どうせ見舞うんなら、縁起がいい方がいいだろうって」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



確かにチキュウの紅白まんじゅうにはそんな意味があったかもしれない。しかし、見舞いにそんなものが必要だろうか。だいたいこれは中華料理だ。縁起物といえば縁起物で悪くはないのかもしれないが、しかし・・・・・・




「しかし、これは時間がかかるものなんだな。
「きじ」とやらを「はっこう」させて蒸すのにも時間がかかった。おかげでずっと2人で厨房にこもりきりだった」

「ずっと・・・・・・2人で?」

「ああ、やらと「見よう見まねがいいから」といってぼくの後ろから手を回してこねたり蒸したりしていたな」

「・・・・・・・・・・へえ、そうなんだ。猊下が・・・・・・」

「?ああ・・・・・・そうだ、大賢者に礼を言いに行かないと・・・・・・て何をしている?放せ(がし)」





猊下、俺を出汁にするとは・・・・・・油断も隙もない。でも、もう好きにはさせない。




「いや、せっかくだからお前も食べてから行けばいいじゃないか。
俺一人は多いし、お前も疲れただろう?猊下には俺も礼が言いたいし後で一緒に行くよ」

「え、でも」

「さあさあ」





まったく、こんな傷より痛手を負う前にと、コンラートはヴォルフラムを強引に隣に座らせた。









中華料理編でなぜ次男→三男←村田になるのか我ながらわからない・・・・。











「異文化コミュニケーション編〜カルタ編」   3兄弟ギャグ








「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・こほん、それじゃあ次のやつを詠むよ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そこ歩く王佐の後に汁の道」

「・・・・・・っ!(きょろきょろ)
えっと、これではないし・・・・・・あれ・・・・でもないし、どこに・・・・・・ああ!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・これだろう」

「はい、グウェンの札っと・・・・・・じゃあ次、うつくしい黒髪がなびきアオ走る」

「ええと・・・・・・これは違うし・・・・これだ!・・・違うし!?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これか?」

「はい、この札もグウェンっと・・・・・・・・・今夜またおれのハラ蹴る婚約者」

「なんだと、ユーリ!ぼくはちょっと寝返りを打っただけでそんなのは人並みでぼくは寝相が悪いわけでは断じて・・・・・・って、あ!」

「・・・・・・・・・(無言でヴォルフラムが立ち上がった拍子に吹き飛んで目の前に落ちた札をコンラートに見せる)」

「はい、グウェンの札っと。
これで半分近くの札がグウェンの手札になったな。・・・・・・しかし、本当にヴォルフラムは「かるーた」が苦手だな。グウェンも弱くもないけど向かうとこ敵無しというほどはでないのに」

「う、うるさい。コンラートは兄上の強さを分かっていないんだ」

「だいたい、ヴォルフは目が泳ぎすぎなんだ。一刻も早く詠んだ札を見つけたい気持ちも分かるけど、そんな端から端まできょろきょろ視線を動かし回ったらとれる札もとれないぞ」

「・・・う、うるさいうるさい!お前だってさっき兄上に負けただろう!えらそうに口出しするな!!」

「そんなこと言ってもな(俺は一枚差で負けただけだし・・・)、だいたいお前これでグウェンに十戦十敗だろう?
しかも、ほとんどの札を取られて。いい加減自分が「かるーた」を苦手を苦手なことを自覚して弱点を直さないといつまでたっても宿敵に勝てないぞ」

「ぐっ・・・・・・」

「また「これで私の陛下への愛の方が勝っていると証明されましたね・・・おや、ヴォルフラム、嘆くことはありませんよ。全ては当然の結果となっただけですから」とか言われたくないだろう」

「ぐ・・・・・・ギュンターのやつ。ちょっと「かるたー」が得意なだけであそこまで有頂天になって、挙げ句の果てにユーリを一番理解しているのは自分だとかなんだとか」

「ヴォルフラム、「かるたー」じゃない、「かるーた」だ。
陛下が「しょうがつ」土産に持ってきた「ひゃくにんいっしゅ」をギュンターはそれは熱心に眞魔国語に翻訳して書き直し、絵まで手直しして作り直して、さらに完璧に覚えていたからな」

「その間の仕事は全く手に付けずにな・・・・・・」

「しかし、ギュンターがあそこまで、か、「かるーた」?・・・が強いとは。ぼくとしたことが不覚を取った」

「ああ、隠れて猛特訓してたらしい。ユーリ陛下の故郷のことは誰よりもうまくこなしたい。「やきゅう」では俺に十六年の後れを取ったものの他のことでは譲る気はないらしい」

「その特訓の間の仕事は全て私に押しつけてな・・・・・・」

「思い返すも恐ろしい光景だった・・・・・・誰が手を出すときにはギュンターは既に静かに札を手にしていた」

「確かにとてつもない強さだった、陛下がいるときは陛下にしか取らせない、陛下が前にいないときは誰も札をとれない。唯一の例外は変装して混じっていた猊下と五分の勝負になったときだった。後でギュンターが気がついて「ひゃくにんいっしゅ」汁まみれになったけど」

「確かにギュンターは強い・・・・・・しかし、魔王の婚約者はぼくだ。つまり、ユーリの理解者は誰よりもぼくであるべきなんだ!ギュンターには負けられない!!そのための特訓だ!」

「まあ、そのためにわざわざヴォルフが覚えやすそうな「かるーた」眞魔国版を作ったわけだけど。
ギュンターには内緒で城のみんなからのせる句まで募集して。でもまあギュンターも投稿してきたくらいだから知っているのかもしれないけど。
ニッポンの「わか」は長くてお前は覚えるのが大変だから「はーいく」を募集して百一枚作って、それはすごくいい出来で陛下や猊下にも褒められたけど・・・・・・ヴォルフが一向にうまくならないんじゃな」

「ぐ・・・・・・さっきのユーリが悪いんだ。婚約者のことをまるで寝相が悪いみたいな「はいくー」を書くから」

「(それは、単なる事実だと思うけど)・・・・・・とにかく俺やグウェンに敵わないようじゃ、到底ギュンターに勝つことは出来ないな」

「う・・・そうかも、しれないが(ずーん)」

「あ・・・(言い過ぎたか?)」

「ヴォルフラム、そう落ち込むな。
こうして私とコンラートが特訓を手伝っているんだ、今は無理でも特訓を続ければ今より上達する」

「兄上・・・」

「コンラートもそうヴォルフラムを挑発するのは止せ、こいつなり良くやっている」

「別に挑発したつもりは・・・」

「兄上・・・(じーん)。ありがとうございます、この特訓無駄にはしません(きらきら)」

「礼などいい。お前の落ち込みようがひどかったしギュンターにこれ以上仕事を押しつけられてはたまらん」

「はい!今度こそはやってみせます!」

「(無視され気味でちょっと憮然)そんなこと言っても、ヴォルフが一向にうまくならないしなあ・・・・・・」

「まず、ちゃんと最後まで「はーいく」を聞いてから正確な札を探すんだ。正攻法を忘れるな」

「だいたい、俺の助言はずっと無視してたのに・・・・・・何でグウェンばっかり・・・・・・(ぶつぶつ)」
「はい、つい焦ってしまって・・・次こそはちゃんと「はいくー」を最後まで聞きます!」

「そんなこと言っても最後まで聞いた試しがないからなあ・・・・・。
正攻法じゃ駄目だな・・・・・・もっと、からめ手で、効果がありそうなのは・・・・・・・・・あ、そうだ!」
「何だ、コンラート?」

「何かいい案が浮かんだのか?」

「うん、なかなかいい方法が思いついた」

「なに!本当か、どんな方法なんだ?」

「まあ、まずは実践だ。また札を詠むから2人とも札を取る準備をしてくれ」

「む・・・・・・わ、わかった」

「どんな方法かは知らんが、ヴォルフラムが上達するならやってくれ」

「じゃあ、また詠むよ・・・・・・・・・・・もにたあの」

「ぐぎゃあっっ!??」

「・・・・・・・・・・・・じゃなかった。モルギフのうめきが怖い地下倉庫」

「え、と・・・これじゃないし・・・あれ、でもないし・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
端から端までもう一度・・・・・・!!あった!!こ、これだーーーー!!」

「どれ・・・・・・よし、ちゃんとあってる。この札で間違いないぞヴォルフ」

「・・・・・はあっ、はあっ、はあっ、・・・ま、まぎらわ、しい・・・・・・間違いを」

「やった・・・・・・ついにぼくが、札をとれた・・・(感動中)」

「よし、この調子でいくぞ・・・・・・・・・アニシナが」

「ぎゃあああああああああ!?」

「・・・・・・・・・・・・じゃなくて、兄上が顔色悪い心配だ」

「えと・・・・・・・・・・これ・・・・・・・違う・・・・・・・・・・・・!!あれだ!!」

「よしこれも合ってる。よかったな、お前の作った「はいくー」」の札だ」

「ああ、ちょうど兄上がアニシナの研究室から帰ってきたときに作ったから・・・ぼくが、ぼくが二枚も連続で」

「継続は力なりだな、特訓の成果が現れてきたのかもしれない」

「特訓の成果・・・本当にそう思うか?」

「ああ、勿論だ」

「(ゼエゼエ)コ、コンラート・・・・・おま、え・・・まさか、わざと・・・」

「よし・・・・・・コンラート、次だ!」

「はいはい、次は・・・・・・・・・・・・・」

「待て、コンラート・・・・・・お、お前、また・・・・・・・・・」

「新発明、今日ももにたあ、見つけよう、逃げまどうのは、愚かな男。
すごいな、アニシナは。練習用の模擬「ひゃくにんいっしゅ」に使うもでも略式の短い「はいくー」じゃなくて長くて正式な「わか」だ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!これだ!!」

「これも、合ってる・・・・・・すごいじゃないか。最初の時よりずっと探すのが早いし正確だ」

「ふん、これがぼくの実力というものだ・・・・・・仮にも兄上から一枚取ったんだ。下手な真似は出来ない」

「なるほど、責任感か・・・・・・一石二鳥だな」

「何を言って・・・?兄上?どうかなさったのですか、そんなずっと床に顔をこすりつけて・・・!?兄上、しっかりしてください、兄上!どうなさったのですか!!?」

「まあまあ、ずっとお前の練習に付き合って疲れたんだろう。起こさないように、一緒に寝台に運んでくれ。
・・・ヴォルフに自信を付けさせるつもりだけだったのに意外とうまくいったな(ぽそ)」












一番上の俳句から次男、王佐、陛下、一般兵、三男、毒女という無駄な設定があったり・・・・・・。
















「異文化コミュニケーション〜あーれー編〜」 アニグウェ









「陛下の仰るところのことですが、陛下の故郷であるチキュウのニホンには「こままわし」なるものを新年の始めに行うそうです」


「お、おい!アニシナ、離せ!新年早々何のつもりだ!」


「「こままわし」とは新年があけると子供が「こま」という円盤に縄をぐるぐると縛り付けたあとに思いっきり引き、半球状の板の上で「こま」を高速回転させてぶつけ合い押しのけ合って押し切った方が勝ちという、その回転速度を競う競技だそうです」


「アニシナ、いいからこの縄をさっさと解け!私にはまだ仕事が・・・・・・」


「なるほど、小さな円盤をただ回すという全く持って無意味で非生産的な遊びに一見見えますが、それ目端の利かない男たちの大きな勘違いです。
私が陛下の話を聞いたところ「こままわし」は素早い瞬発力と判断力が求めら、鍛えられる新年に早々に始まる厳しい試練と判断できました。
愚かな男たちならばただの子供の遊技の風景と心が温まるかもしれませんが、それは物事の本質に気づいていない愚鈍さというものでしょう」


「っくぅ!なんどこの縄は、くそ、どうしても解けん!いや、それどころかどんどん絡まって・・・・・・く、苦しい!アニシナ、縄が絡まって腕がいたい・・・・・・」


「全く持って陛下の故郷の習慣は興味深い!
早速眞魔国でも新年には「こままわし」を大々的に行い、年々弱くなっている男たちを鍛え直すいい機会と思ったのです!・・・・・・しかし」


「うわー、からまる!からまっているぞ、アニシナ!こ、今度は締まってきた・・・・・・ぐ、ぐえ・・・・・・・・!
は、はやく、早く解いてくれ、背骨がねじれる!!」


「しかし・・・・・・・残念なことに陛下が仰るには「こままわし」とはチキュウでは子供が行うもので大人はそれを見守るという立場らしく、軟弱な男たちを鍛え直すことはできないそうです。全く持って口惜しいことです」


「だったら、何の真似だ!「こままわし」や「たこあげ」とやらは魔王が新年にする子供の新しい遊びとして広めているだろうが!今も現に早速仕事もせずにグレタと「こままわし」をすると言って出て行っただろうが!今更お前が「こままわし」を、その、過酷な訓練として行うことはもう不可能・・・・・・」


「しかし、残念に思う私を見かねたのか猊下が私に教えてくださったのです・・・・・・・・すなわち大人専用の「こままわし」があると」


「・・・・・・・・・・・ど、どういう、意味だ?」


「大人専用の「こままわし」とは・・・・・・すなわち!「おび」という「こままわし」専用縄でぐるぐる巻きにしたものを「あーれー!」といわせて「こままわし」するのだと!!」


「な、なにぃぃぃ!」


「聞けば、回す側には高速回転に耐えられる平衡感覚と精神力が、回す側には大の大人を高速回転をさせる力と強い意志の力が鍛えられるという画期的なものだとか!
さらには回される側が「あーれー」というのは相当な熟練者でないと困難だとか、達成の目安についても色々と聞きました」


「ま、まさか・・・・・・・つまり、この妙に桃色だったり黄色だったりする奇妙な縄は・・・・・・・」


「私が「こままわし」専用に開発した「おび」です。
ちなみに猊下は大人の「こままわし」とは回される方が半裸になのが「お約束」だと仰っていたので、この「おび」は引くことで高速回転をさせることができ空気との摩擦熱で回り終える頃には衣服の半分ほどが炭になる計算です」


「それでは回されるものが燃えるのでないのか!?」


「下着は破れない計算です、全く問題ありません!
さあ、喜びなさい、グウェンダル・・・・・・早速この「こままわし」のもにたあにしてさしあげます」


「ちょっと待てちょっと待てちょっと待て!私には仕事が、仕事・・・ちょ、うわああぁぁぁっ!!」


「それでは、実験開始します・・・・・・・・・せーの!」


「や、やめろぉぉぉぉぉぉっ・・・・・・・・・!!」














「あれー?今グウェンの声が聞こえなかった?」

「うん、おれも聞こえたな」

「ユーリとグレタもか?ぼくもだ。
兄上が「あーれー」といったような声が聞こえたような・・・?」

「まさか、グウェンはそんなことは言わないさ。それより、もういちど「こままわし」をしてないのか?さっきさんざん俺に負けて次は絶対勝つって息巻いてただろう、ヴォルフ?」

「何!コンラート、あれでぼくに勝ったつもりか!ふざけるな、もう一回すればぼくが勝つ!」

「はいはい(だまされやすいなぁ・・・・)」

「あははははは、すごいねー、フォンヴォルテール卿は♪
一回目から「あーれー」っていうなんて、冷静に考えれば回っているのにそんなこと言えるなんて難しいのにー」

「村田・・・・・・お前って本当に黒いな・・・・・・・・」














「あーれー」っていうの、現実的には無理そうだなあ。

















「異文化コミュニケーション〜お年玉編〜」  サラ→ユで獅子いじめ






聖砂国首都への旅の途中にて



「・・・・はー!生き返る!やっぱ汲みたての井戸水は冷たくていいなー」

「あはは、ユーリは変わっているね。王が自らの手でわざわざ水を汲むために井戸まで赴くなんて、わたしは考えたこともなかった。・・・ところでさっきユーリの故郷の習慣の話の続き、聞かせてくれないかな。確か新年の祝いの話だったよね?」

「そうそう、凧上げてこまを回して遊びましょ・・・っていうやつ。それでさ、おれの故郷では新年には子供がお年玉をもらって・・・・・・」

「おとしだま?なんだいそれは?ユーリの故郷では新年に子供に年の数だけ石を投げつける儀式をするのかい?子供を鍛えるための儀式とか?」

「いやいやいや!全然違うから!そうじゃなくて、子供に一年の初めにお小遣いをくれるんだ、親とか親戚から」

「おこづかい?石で打つのではなく、子供をこづき回すの?」

「ちーがーうー!お年玉って言うのは、年の初めに子供が大人からもらうお金のことだよ、一年これから頑張りなさいって言う、なんというかええと」

「なんだ、子供用特別手当のことなんだね。
一年間よく働いた子供に特別手当を払うんでしょう?」

「そ、そうかな・・・・・・なんか違うような、でもそうといえばそうなような。
えーと、昔はホントに手の平にアメ玉なんかを落としてお年玉ってことだったらしいけど・・・」

「へえ、玉を落としてねえ、ユーリの故郷の話はおもしろいな・・・・・・もっと教えてほしいな、実践してみたい話もあるかもしれないし」

「えっと、そうだな・・・えーと」

「・・・・・・陛下、こんなところにいらっしゃったのですか」

「!?・・・・・・コ・・・・・・ウェラー卿」

「おや、ウェラー卿?もしかして私を捜していたのかな?
それはすまなかったね、この寒風のなかで大シマロンの使者に風邪を引かせたら大変だ」

「・・・・・・」

「ところで何の用かな、ウェラー卿?」

「・・・・・・・・・・・・・風が冷たいですから、早くお二人とも宿の中へ」

「おや、心配してくれているんだね。確かに少し肌寒いかな?」

「風邪を引いてしまいますから、はやく・・・」

「・・・・・・(無言で立ち去る)」

「・・・・・・・・・・・・・」

「おや、ユーリはもう帰ってしまうのかい?さっき来たばかりなのに。
・・・・・・あ、あなたが来たからかな?ウェラー卿は魔王陛下と船の上で何かあったようだしね。お付きの方にもあなたに近づかないように言い含めていたようだし」

「・・・・・・・・・・・・・」

「お陰といっては何だけどこうやってわたしが青い魔石を手にすることになったわけだけど」

「・・・サラレギー陛下、あまり日差しに当たるとお体に障りますよ」

「このくらいはどうということはないよ・・・・・・ところで、ウェラー卿、知っているかい?
ユーリの故郷では「おとしだま」という子供をねぎらう行為があるらしいんだ。とても、心温まるよい習慣だと思わないかい?いい話だろう、わたしもやってみたくなったよ」

「?・・・・・はあ」

「「おとしだま」とは玉を相手の手の平に落として、落としたものを相手に下賜するというものらしくてね、面白そうだと思わない?そこで、あなたはとっくに子供ではいけど、君にも色々働いていてもらっているし私から「おとしだま」をあげようかと思うんだ」

「・・・・・・・・・サラレギー陛下、何を?」

「それで、玉はこれでどうかと(胸元から青い魔石を取り出す)」

「・・・・・・・・・それは!?」

「これをこう落としてっと、ぽいっと(井戸の中に落とす)」

「!!?・・・・・・・・・・くっ!(井戸の中に飛び込む)」



バッチャーン!!



「あーあ、手の平にのせられなかったね」

「サラレギー陛下、何を!・・・・・・くそ!どこだ・・・」

「手の平にのせられなかったら、これはウェラー卿にはあげられないね。
全身濡れてまで取ろうとしてくれたのに残念だけど、ユーリの故郷の習慣ではそうらしいし、わたしもそれに従うよ」

「くそっ・・・どこに・・・!?」

「じゃあ、回収っと(するする)」

「・・・・・・え」

「どうしたのウェラー卿?r理解できないものを見たような素っ頓狂な顔をして。
大事なものにはひもを通して首からかけておきなさいっていうでしょ?
え、長すぎるって?まあ、こんな風に井戸に落としたときのために便利かと思って」

「・・・・・・・・・」

「残念ながらこの井戸は浅いけど、さっさと出てきてね。じゃないと置いていくよ」

「ちょ・・・サラレギー陛下!?」

「じゃあ、頑張ってね・・・・・・・・全く、ユーリと話しているのを邪魔するからだよ」 














初獅子いじめです。いじめすぎないように気をつけた、つもり、です・・・・・・。