「ユーリと「鏡の水底」」










※「ユーリと魔力(1・2)の続きみたいな感じです。











「故郷マ!」の頃から思っていて書いていなかったけど、「前マ!」をみて「ああ、やっぱり、もしかして、いやでも・・・」とか思ったのに今まで放置していた考察です・・・お時間があればどうぞスクロールしてください↓































ええ、とはい、結論からいいます。
というか、なんか直感的にひらめいたことを原作と関連付けて自分なりに説明します・・・ええと、つまり









「鏡の水底」は開いている。











・・・・・・ええと、いきなりなんだという感じですが。

いろいろ原作読み直していると「そーじゃないかな・・・」と強く思い初めてみたり・・・・・・。

まあ、開いているというよりは半分くらい開いてる・・・くらいの感じ?かなりもれているみたいな・・・。




・・・以下で順を追って説明します。↓








@ユーリがおかしい



これが「鏡の水底」が開いていると感じた最大の要因。ユーリのおかしさがこれと繋がっていると結構説明できると思う・・・。


えー、まず、鏡の水底」の鍵はユーリ確定でいいでしょう。



「では残る一つは?」
「ウィンコット」
「ウィンコット!?」
自分で聞いておきながらコンラッドは激しい動揺をみせた。この男はフォンウィンコット家と浅からぬ因縁があるな、そう瞬時に村田に見抜かれてしまったほどだ。

少年は金色の瞳を見開いている。鍵を持つ者を前にするのは初めてらしい。

「(前略)水の要素を従える当代魔王が、凍土の劫火を解放できると思ってるなんて!」
「サラ、お前どうして」



「故郷にマのつく舵をとれ!」 P129 P138 P160





「ウィンコット」発言でもともと鍵疑惑はあったもののより鍵疑惑が強くなったところで、真っ先にユーリ自身?のモノローグで判明するとは。しかも、サラに水の要素を従えるユーリが凍土の劫火を開放できるがないと断言しているところを見るとこれはもうユーリ=「鏡の水底」の鍵で確定でしょう。しかし、サラは箱の事をどこまで知っているのか・・・次男も知らなかった「鏡の水底」の鍵の正体を知っているなんて、彼はフリンからどこまで聞いたのか、またフリンはどこまで知っていてどこまで話したのか?


・・・しかし、それだけだと妙なのです・・・。


「前マ!」で三男が「凍土の劫火」に反応して箱に操られている場面があります。




誰に命じられているわけでもない(中略)脳の命令を聞かないわけではなかった。彼はまず右手の指先で箱を覆う布に触れ、心臓まで届くような痺れを味わった。
「なぜぼくがこの箱に触れてはいけないんだろう」
(中略)
ヴォルフラムはもう一度慎重に確認した。ぼくは誰かに操られているか?いや、意思に反して身体が動くようなことはない。ぼくはぼく自身の命令で動いている。生きている。
「しかし、ぼくが鍵なら、より安全に箱を扱えるはずだ。そうだろう?」
(中略)
「ぼく反対するべきだった。ユーリがこれを捨てるなんて言い出した時に、反対するべきだったんだ」
何故ならこの禁忌の箱の一部は。


「前はマのつく鉄格子!」  P46-P47



ヴォルフラム、箱に操られるという災難で「凍土の劫火」の鍵確定。

しかし、この状態結構変な状態です。ヴォルフラム自身は操られていないか、慎重になっているのですが自分の意思事態にダイレクトな影響があるため箱の支配下に置かれてしまいます。

これはつまり鍵は箱に対して、「開く」という作用だけではなく、精神自体に強い影響を受けることを示しているのでしょう。

そして、箱に対して強い執着を持ちます(なにせヴォルフがユーリが決めたことにnoというわけですし)。しかも「鍵なら箱を安全に扱える」なんて知らないような知識まで無意識に「知って」います。

(また「心臓まで届くような」の行から、やっぱりヴォルフラムの鍵の部位は心臓でいいでしょう、たぶん。)



つまり鍵は箱に操られると、


@ 自分の意思に影響を受ける、もしくは自分の意思を消されて箱の意思にのっとられる。

A あまり本人には自覚がない。

B 箱に執着する。

C 鍵である部位に何かしらの刺激を感じる。




これらを踏まえると、いくつかの点でユーリの上様モードとダークモード(「ユーリと魔力」(2)で勝手に命名した凶悪なユーリの人格?モード)はこの箱に操られている状態に ひ っ じ ょ ー に よく似ています。




次の三泊、心臓が三つ打つ間に、おれの中で何かが変わった。(中略)内部で蠢いていた力が、急に噴出してきた感じだ。おれの喉、おれの眼、おれの口なのに、同時に他人の所有物であるようなもどかしさに、指先が震える。
「・・・・・・劫火など・・・・・・」
発する言葉も自分の意思ではない。


おれはぎょっとして指を引っ込めた。何してるんだ、おれ、何してたんだ!?
魔術を使った後とは違う。この数十秒間は容易に思い出せた、というか思い出すまでもなく、最初から記憶は途切れていなかった。誰かに身体を貸した、しかも飛行機の操縦士が副操縦士とコントロール交代するくらいスムーズなやり方で。そんな感じだ。



「故郷にマのつく舵をとれ!」  P139-140




この状態@Aによく似ています。



これは・・・そのまま考えれば、ユーリは何度も「箱」の支配下に置かれていることになりますが別にユーリは「鏡の水底」にちかづいたりしていません。というか、見たこともすらないでしょう。


にもかかわらず「箱」の支配下に置かれているような様子を何度も(カロリア編・聖砂国編から)何度も見せている(ユーリと魔力(1)(2)よければ参照してみてください)。


また、「凍土の劫火」に鍵と間違われてイェルシーに押し付けられたユーリは、また怒りによって人格が豹変して(しかもダークモードに)いますが・・・この時のセリフは「火も地も風も消え去るがいい!」とか「すべてが水の底に沈んでこそ皆がよくよく眠るのだ」とか「他の者に従うな」とか、完全に「水の創主」として言葉っぽいです。



ということは、ユーリは「水の創主」に操られて、肉体をのっとられようとしている?

「鏡の水底」を見たことも無いユーリがなぜそんな?




そこで思いついたのですが・・・・・・「鏡の水底」は異世界に戻ってきているのでは?


村田はレジャンだったころの記憶で「「鏡の水底」を大戦後ボーデン湖から引き上げて、船医として一所にとどまらせずに移動させて守っていたが、乗船していた船が見方の誤爆で沈没してその時レジャンは死亡。同時に「鏡の水底」も太平洋に沈んだ」ということになっていますが、これはヘイゼルの例や、何より村田が「凍土の劫
火」の破片によって異世界に渡った時の条件とかなり近いです。

村田は交通事故にあったおばーちゃんを助けようとして、その際の爆発したエネルギーを利用して異世界にわたってきているわけですし、「鏡の水底」がそうなっても不思議ではないかと。



なら「鏡の水底」は異世界に戻っているのでは?

また、その移動の衝撃で封印に影響があり、鍵としてのユーリにその漏れでた水の創主の力がユーリを支配しようとしているのでは?



なぜ、それがユーリ魔力を使う際や魔力を激しく消費した際に起こるのかはよくわかりませんが・・・ユーリの中でもジュリアと上様(この人格も何者なのかよくわからないけど)と水の創主?でごちゃごちゃしているようで、それを魔力で抑えているのでしょうか?だいたい魔力を消費するほど凶悪さが増している気がしますが(ユーリと魔力(2)参照)。


魔力を使う際はジュリアがサポートし、上様が比較的ユーリの望みどおりに魔力を発動してくれますが、ダークモード、改め水の創主?はユーリの意思などお構いなし、というかユーリの意思など消し去ってのっとりたいのでは?という感じがします。






その瞬間おれは、信じられないような行動をとった。相手の肘を内側から弾き、そのまま前腕を絡めてサラレギーの二の腕を固定し、手首を掴んで背中で捻り上げていた。


「誰だって権力は欲しいさ、おれ・・・だって
 ・・・だが我が身に授からぬ力など、世に、あってはなら・・・ぬ」
「ユーリっ」
この肌の下に感じる違和感は何だろう。先ほどの、「眼」を共有したときとは似て異なる感覚だ。
これはおれの喉、俺の口なのに同時に他人の肉体であるようなもどかしさ。発する言葉が我が物ではない不愉快さ。
覚えがある。初めて神族に会ったときにも、同じ状態に陥った。
「持つ物は全て、退けよ」
誰だ。
「死を持って・・・排除せよ」
誰がこんな恐ろしい呪いを吐いている!?
(中略)
「(中略)ね、ユーリ」
ユーリ。
「やめろ」
「名前を、呼ぶな」


「箱はマのつく水の底!」 p82〜84





サラにはそんな意図は無かったのでしょうが、この時のユーリは明らかに別の人格にのっとられかけてましたが、ユーリ自身の名前を呼ばれることで支配されることは回避されたようです。

ユーリの主導権が今後どうなるのか、「鏡の水底」をどうするか、見つけるか、始末するかで決まるでしょう、が・・・・・・本人にも周りの側近にもそれに気がついている感じはしません・・・・・。

知っているとしたら眞王くらいでしょうか?しかし、眞王はジュリアの魂をコンラートに地球に運ばせ、地球の魔族のことして誕生させています。それがこの件にどう絡んでいるかあまり現時点での情報ではわかりません。

眞王は「箱」を集める気はあっても、開ける気はまったく無いと思うのですが・・・あんな創主が出てきそうな状態をなぜ放置しているのでしょうか?


(それに新しくわかった「鍵」の発生条件=魂を引き継ぐものが「鍵」を宿す、という条件だとローバルトの腕の件はどうなるんでしょう?
裏マDX!の眞王の言葉から推察するとローバルトを地球に送ったのは眞王でいいと思います。
が、その後のあの腕はなんなんでしょう?たぶん鍵としての機能を残しているからあんな風に「保存」されていたのだと思いますが、魂に鍵が埋め込まれているならば次の代に鍵が移行しそうなものだと思うのですが。
やはり眞王が何かしたのか、ローバルトが何かしたのか、それとも異世界にわたったことで鍵を持つ魂が行き場を失ってああなったのか・・・・・・次男が持ち帰ることによって鍵持つ魂はどうなったのか、気になります・・・。)


主に異世界で(ちょっとは地球も)異変が起きているようです。たぶんそれは「箱」の状況が変化してきているからなのでしょうが・・・・・・






「(前略)だが俺はここにいる。永遠かどうかは少々あやしくなってきたがな・・・・・・」


「裏マDX!・シナリオ」 p18






も、ここに絡んできているのかな?





あとCですが、ユーリが魔力発動させる際には怒りで頭に血が上っていることが多いですがこれは「鍵」が「血液」だということと関係しているのでしょうか・・・?






A異世界に起きる異変



「変な空ですよ、何かありますよ、地震か何か。(中略)・・・・・・やっぱり何かあるんだと思います。動物にしか感じ取れないような何かが。そのせいかどうかは判らないけれど、村の大人も嘘みたいな怖い噂をし始めちゃって。森の中の空き家に幽霊が出たとか、葬式があったばっかの墓が荒らされたとか・・・」


「いつかマのつく夕暮れに!」 p109〜110




フリンとともに大シマロン行きの船の上でユーリの元にやってきた行商人デビドの言葉。これはその後の「地の果て」実験のことを予期していたようですが、世界自体にすでに異変が起きているとも考えられる。


また、「前マ!」のダルコでは海面が上昇してダルコの消滅の危機が示唆されていますが、これってやはり「鏡の水底」が開いているってことに繋がりませんか?
一時的にユーリをのっとって現れた現れた水の創主?の発言に「水にすべて沈めばいい」とか言うのもあったし、水の創主が解放されているなら説明がつくと思うですが。



後気になる描写として「ナイアガラの滝逆流方法求む!」の勝利が無茶な要求の返信として「スイスのボーデン
湖にUMAの目撃例が続出!」という返信がありましたがもしかして地球でも異変がある・・・?









・・・・・・ところで、箱の中身が創主で鍵たちがそれぞれその一部を身体に宿しているとしたら、もしかして創主を消滅させたりしたら鍵である彼らもその部位に影響が出るのでしょうか?

もし創主と一緒に消滅!なんてなったら、コンラート・グウェンダルはまだしも、ユーリとヴォルフラムは絶対死にますね・・・いやだな、そんなの。








2009/05/04