「 恋しくて、愛しくて 2 」









最近リーオがおかしい。

それはお互いが好意を伝えあって、精神的だけでない上に手を繋ぐ程度だけでない行為を何度か交わした後に気がついた。

リーオが何を考えているか、俺はわからない。

元々そういう所はあったが、最近は顕著だった・・・特にそういう行為の後はそうだった。
抱きしめた腕を不意にはずされ、背中を向けられる。なんだよ、と訊けば「・・・なんで、我慢してるんだよ」と言われた。そんなことはないと言っても「嘘吐き」と返される。

真実を言ったのに何で信じてもらえないのか、リーオが何を不満に感じているのか、俺にはわからなかった。
最近では2人きりになれば、同じ事を言われたり、口をしばらく聞いてもくれない。理不尽だ。


「我慢強いエリオットなんてらしくない」


部屋に戻った途端またこれだ、最初の頃はケンカになったが今では俺も返す言葉を決めている。そしてリーオに嘘吐きと言われることも最近は挨拶のようにしょっちゅう交わすやりとりになっていた。


「俺は何も我慢なんかしてない」


返事はない、代わりにリーオはずんずんと歩いていくと乱暴に制服の上着を脱いでわざとらしく音を立ててソファーに投げつけた。

いつものようにタイを解いてシャツのボタンを一番上だけ空けてラフな格好になる・・・かすかに襟元から見える素肌に長い黒髪が絡みついている光景に目をそらす間にリーオの姿が寮の簡易キッチンに消える。


リーオはもともと友人で従者になってからもぜんぜん従者らしく振舞わないくせに、部屋に戻って一番先にやることは俺と自分の分の茶を入れて俺の分は俺の前に置く。もっとも今の様子だと俺の分はないかもしれないが。


リーオはわかっているのか、いないのか・・・・・・いや、やっぱり当たり前に些細な行動でいちいちどうかしてしまう俺がおかしい。


朝起きた時におはようと言われる、眠そうに制服に着替える、授業中にふと目が合う、本をさしだした手が少し触れた、楽譜を楽しそうに見ている、笑顔を向けられる・・・その全てを愛しく思うのと同じくらい、それを独り占めして誰にも見せたくないと思い、それ以上の触れ合いをリーオに欲しがっていた。


それに初めて気がついた時に覚えたのは、気がつかれたらリーオが離れてしまうのではないかという恐怖と傷つけてでもリーオを欲する欲への激しい自己嫌悪だった。


それでもその感情を消すことは出来なかった・・・だから想いが通じて、そんな感情を直接リーオに伝えられるようになったことは俺にとっては罪悪感からの解放と新しい喜びだった。

2人の時は抱きしめたり好きだと言ってもそれが当たり前であることはとても戸惑ったが、それ以上にリーオに好意を伝えて喜んでもらえることがただ嬉しかった。情けないとは思わないが、結局俺は自分ではどうしようもないほどリーオが好きで仕方ない。

だからか布越しの体温だけをまだ欲していればいい、と思っていても寮の同室で四六時中一緒にいると・・・・・・ときどきではなく直接触れたいと思った。もう罪悪感は抱かなかったが、そのとき俺は確かにそれを抑制していた。


我慢したとは思っていない、俺にとってはリーオを欲するのと同じくらい傷つけたくないし大切だっただけだ。


・・・・・・だからリーオがいきなり俺の手を取って胸に押し当てて(しかも前をはだけて直接肌に!)、「好き」とか「君が欲しい」と言ったときは目の前が一瞬白くなった。

その時に見せた長い前髪越しの細められた漆黒の瞳は綺麗で、ずっと見ていたいと思ったら感情のままリーオを抱いていた。


(あの時は笑ってたのに)


今は何を怒っているんだ?その後もそういう行為(実はまだ思い出して赤面しそうになる)が何度か俺とリーオの間には交わされている。それを俺が抑制していると思っているのか?

そんなことはない、だいたい抑制出来るなら・・・・・・やっぱりあそこまでいくには早かったと思う。あくまで自分なりの基準だが、そんな簡単に触れていいとは思えなかった。俺はまだ怖いという感情を捨てることに抵抗がある。

元々本来の性とは異なる行為は俺よりリーオに多く強いることになっている。最初の行為からそのままきてしまったが、何かの拍子に身体的にも精神的にも傷つけても不思議はない。それは怖いことだった。

勇気を出して逆にしてみるかと訊けば「面倒だからいいよ」と言われた。面倒とはなんだと反論しようとすれば唇を塞がれた。呆然としているともたれられて伝わる体温とエリオットと名前を呼ぶ漆黒の瞳の色に魅せられ、結局リーオの手をベッドに横たえてしまった。


(それで俺が何を我慢してるって言うんだ?)


「エリオット、お茶飲まないの?」

「いや、別にいい・・・って、お前何を飲んでるんだ?」


色々と考えている間にリーオはソファーに座っていた。俺の分の紅茶は用意してくれたらしくテーブルの上に紅茶が置かれている。しかし、リーオが飲んでいる食器はいつものティーカップではなくガラスのグラスだった。琥珀色の液体がゆれていて、リーオは口をつけてすぐに離した。

そして、その返答に俺は驚愕する羽目になった。


「おさけー」

「はあ!?」


ひょいとラベルの張られた瓶を持ち上げられ、心臓がひっくり返るかと思った。慌ててひったくると、結構アルコールの強いものだった。


「何考えてんだ!ここは学校だぞ!ていうかどこから手に入れたんだ!?」

「普通に市場で買ってカバンの二重底に入れただけだよ、エリオットも飲んでみなよ」

「お前臆面もなくなあ!ていうかだからここは学校だろ!」


今度はリーオの持っているグラスをひったくる、薄めもせずそのまま入れやがる・・・・・・リーオが手が届かないようにテーブルの逆の端に置く。「えー」と不満げな声が聞こえたが無視する。


「今更?学校でたくさん一緒にみだらなことしたのに?」

「な!?・・・そ、それとは話が別だろ」

「同じだよ〜、エリオットも飲みなよ、酒の上のことにしちゃえばいいから〜」

「?・・・なに言ってんだ?俺は飲まないぞ、つーかお前ももう飲むな」


グラスとボトルをリーオから遮ろうとすると、恨めしそうに睨んでくる・・・・・・があっさりと目の焦点が合わなくなってぐったりとソファーに沈んだ。慌てて近付くとそんなに酒の匂いはしなかったがリーオの顔は赤い。前髪越しの瞳が潤んでいた・・・・・・強気なことを言っていたが酒なんか飲んだことないのかもしれない。


(そんなになってまで、なにをしたいんだ?)


「大丈夫か?飲めもしないくせに、酒なんか飲むから・・・気分悪いか?何か欲しいか?」

「こんなにクラクラすると思わなかった・・・水、欲しいかも」

「わかった、水・・・これでもいいか?」


サイドテーブルに置かれた俺の分の紅茶ををリーオの顔の前に運ぶ。本当はキッチンで水をとってきた方が良いのだろうが、リーオの様子を見るとその前に何か飲ませてやりたい。

リーオはじっとカップを見ると、口元を近づけて琥珀色の液体を口に含んだ。ホッとすると、次の瞬間にはカップが床に落ちる音がした。
長い前髪と分厚いメガネに隠れて見えないはずなのにリーオのきれいな漆黒の瞳がひどく近い。心拍数が早くなっていくのを止めようと、慌ててようやくキスをされている事に気がついた。

惚けていると唇が離れる。喉元に少し苦味が通る、さっきの紅茶を口移しされたらしい。


「な、なんだ急に・・・水が欲しいんじゃないのかよ」

「・・・・・・それアルコール入り」

「は?」

「だから、紅茶にブランデーをたらしてみたんだよ。本においしいって書いてあったけど、あんまりおいしくないね」

「ちょっと待て、じゃあ今の」

「・・・・・・これでエリオットも大人だね」

「なにすんだよ!俺はお前が気分悪いって言うから!・・・・・・っ!水とってくる!」


こっちは心配したっていうのに!・・・・・・そういってキッチンへ向かおうとするとリーオの手がシャツの端をつかんでいた。振り払える程度の弱々しさのせいで、かえって振り払えない。振り返ればリーオがぼんやりとほのかに染まった顔で俺を見上げていた・・・・・・なれないアルコールのせいだとわかっているのに邪な気持ちが胸の奥でざわつくのはさっき口移しで飲まされたほんのわずかな酒のせいだろうか。


「行かないで、エリオット。側にいて、水よりエリオットがいい」

「・・・・・・すぐ戻る、キッチンに行くだけだ」

「酔ってたほうがいいよ・・・・・・はなれないで、隣にいて・・・・・・?」

「〜〜〜っお前な!・・・・・・わかった」


酔っているのだろう、いつもにない素直な口調にどこか追い詰められたものを感じて俺はリーオの隣に座った。するとすぐに肩にもたれかかってきた、どきりとするとさらに胸にもたれかかってくる。ずり落ちそうになるリーオを胸に抱きこむ・・・・・・さっきより赤みが引いた顔にやっぱりたいした量ではないのだろうとホッとするとメガネをはずした。


「大丈夫か?」

「うん・・・・・エリオットは優しいな」

「別にそんなことない、お前が心配なだけだ」

「だから我慢してるんだろうけど、しなくていんだよ?」

「言ってるだろ、俺は何も我慢してない」

「我慢しないでよ、酔っ払ってるんだし、ね」

「だから・・・・・・」

「エリオット、大好きだよ」


その言葉にリーオを抱き込む腕に力が入る。・・・・・・我慢するな、とはこういうことやこの先のことだろうか?

わからないが、そのまま前髪越しに額に唇を触れさせた。少し熱い、酔いはまだ残っているらしい。俺は酔っていない、飲まされた量は時々料理に入っている程度のものだった。だから俺が酔っているのは別のものだ。

リーオの髪は本人が整えないせいであちこちに向いているがやわらかくて触るとふんわりとしている、撫でると長い髪なせいで首筋の辺りまで指先が触れる。最後に触れた柔らかな皮膚の感触にもう一度撫でると、リーオが少し身をひねった。


「・・・・・・〜〜〜っ!」

「・・・・・・リーオ?気分が悪いのか?」

「・・・・・・なんでもないよ、もっと側にいて」

「?もっとって?」


リーオは俺の首に手を回すと抱きついてきた。近づく距離にリーオの体温がいつもより熱い事が余計に伝わってくる、いつもということはつまりいつもの体温を覚えているということに自分で驚愕するとリーオと目が合った・・・・・・今日はこのまま誘惑に負けてしまうんだろうか。

前髪を少しはらうと額に直接唇を触れさせた。やっぱり熱い。そのまま額を滑ってあちこちの熱を確かめる・・・・・・と額のある箇所に触れた時、またリーオがびくりと身をひねった。どうしたと聞けば「いいから」とわからない。どこかにぶつけてしまったか?酔っているんだから頭がいたいのかもしれない。


「大丈夫か?」

「だから・・・・・・っていってるだろ」

「?」

「だから、そういうことするなって言ってるだろ!」

「は?そういうこと?」

「だからずっと言ってるだろ・・・・・・いちいち過剰反応しないで好きにすればいいだろ!!」

「か、過剰反応って何だよ!」

「いちいちいちいち!こっちの反応うかがって、ちょっとでもこっちが反応すれば逃げてばっかりで!こっちの身にもなれ!最初みたいにエリオットは我慢しなくていいんだよ!」

「なんだそれ!?だから我慢してないって言ってるだろ!」

「する時に逐一痛くないかとか、触ってもいいかとか、このままされたいかとか言わされるなんてもう限界なんだよ!」

「す、すすす、する時とか言うな!・・・訊いたら、いけないのかよ?」

「気を遣ってるのは、わかってるよ・・・・・・でももうやだ、エリオットが抑えてるのかと思うといやだ」


もうやだと俯かれて顔も見えない、だから表情はわからない。でもこんな風になってほしくなかった、だから最初の行為のように感情のままにならないようにそれ以降はどこか怖々と触れていた。それは事実だ、その恐怖はまぎれもなく自分の感情だから俺は自分を抑制したとは思わない・・・・・・でも、現実としてリーオをさせたくなかった顔を俯いた下でしている。


「エリオットが、好きだよ」

「・・・・・・俺も好きに、決まってるだろ」

「だからなにをされてもいいんだよ。慣れなくても、多少痛くても、エリオットなら嬉しいよ」

「やっぱり酔ってるな」

「・・・・・・真面目に聞いてよ、酔ってるからいってるんじゃない。これは本心、欲しがってくれてありがとう、だから抑えないでもっと求めて欲しい」

「お前がこんなに素直に自分の気持ちを言ってる時点で・・・・・・〜〜〜っ!」


素直な気持ちといった時点で今までの俺への言葉を全肯定したことに気がついて、頬が熱くなるのを自覚せずにはいられなかった。こいつは今何を言っているのか自覚があるのか、ないのか・・・・・・自分が相手を好きでたまらないと自覚するより精神的にも肉体的にも色々と・・・・・・とっくに限界だった気もするが。

そっと身を離すとリーオの顔を上げさせる・・・・・・よかった、泣いてない。こいつは突拍子もなく感情をあらわにするときがあるから、たまに感情を量りかねるときがある。少し酔いがさめたのか、ばつが悪そうに視線をそらしている。


「リーオ」


名前を呼んで俺はひとつ決意した。

振り返る前に唇を合わせる。驚愕に見開かれた目を俺は目を閉じずにじっと見た、そしてリーオの襟元に手を伸ばして2つ目のボタンからはずしていく。いつもより性急な動きにリーオは少し震えたがそのまま進める、その仕草にホッとしたのか弛緩したリーオをソファーに横たえた。日が落ち始めたのか、窓から入る光は夜が近づいてきたのか橙を帯びてリーオの白い身体を朱に染めていた。

その光に嫉妬したのか、遮る様に覆いかぶさると変わらずリーオは顔を朱に染めていた。それは俺のせいだと思うのは、自惚れじゃない。じゃなかったら・・・・・・不意に笑う、リーオならぶん殴ってる。


「なに、笑ってるんだよ」

「いや・・・お前が俺をいやだったらぶん殴られてるだろうなと思っただけだ」

「はあ?・・・・・・当たり前だろ、いやっていうか望んでなかったらこんなこと・・・恥ずかしくて暴れてる」

「そうだな・・・確かに、訊くまでもなかったか・・・」


下肢のほうに手を伸ばすと今までより強く身を固くされるがそのまま触れた、声を飲み込む気配がしてふと俺が常々思っている不満を思い出す。


「リーオ、話してもいいか?」

「・・・っ、な、なんだよ、また何か訊くつもり?」

「俺はお前が望まないことを絶対したくない、だからこれからも訊きたいことは訊く。でもお前がそれがいやなら、本当にいやな時ややめて欲しいときはぶん殴られると思っておくから、訊かれたくなかったらそうしてくれ」

「なにそれ・・・ん、あっ・・・・・・言うまでもなくそうするよ・・・・・・だから、もう」

「あとな・・・お前も声抑えるのやめろ」

「は?・・・・・・っ、なんのことだよっ」

「だから、そうやって声抑えるから!俺がお前にいちいち聞く羽目になるだろ・・・〜〜〜っ!」


快楽に声が出なくなる、リーオが仕掛けてきた。思わず顔を見れば・・・今までにないほど真っ赤なっていた。リーオが今したことを考えれば、そんはずはないのだがひどく初心な表情だった。自分ばっかり好き勝手言って、お前だってわからなくて不安なんじゃないのか。

お返しに首筋を軽くかむ、ビクリとした反応にふとさっき髪を撫でた時に触れた場所だと気がつく。確かに今まではそんな反応があるたびに引いていた気もする。でもまだ殴られていないなら・・・触れていいのだろう。噛み付くと今までにない大きな艶めいた声が聞こえた。

声の大きさに驚いたのリーオも同じだったらしく、慌てて口元に手をやって抑えている・・・・・・俺には色々要求しておいて、こっちの要求は無視するつもりらしい。


「何で手で押さえてるんだよ?」

「・・・・・・ムリ、心臓破れる」

「そんなのこっちも同じだ・・・・・・言っただろ、抑えるな」

「ちょ、放し・・・・・・待って!」


手を掴んで口元から離すといっそう大きな嬌声が聞こえる・・・・・・もう一度聞きたいと思ってその場所にもう一度噛み付いた。きれいな声が俺にだけ聞こえた。












・・・・・・結論から言うと、俺はリーオのことがわかっていなかったが、リーオも俺のことがわかっていなかった。

具体的に言えば、俺は何度かリーオに確認を取ったし、リーオも何度も声を止めようと手で押さえた。リーオは何度も「まだ言ってる」と俺に不服の意を示し、俺はリーオの手を遮ると最後には引っかかれた。それが気に食わなかったんだろうか、リーオは腕の中に収まってくれてはいるが一言も口を利いてくれない。

結論から言えば・・・・・・結局俺たちはまだお互いのことを全然わかっていなかった。俺はリーオがリーオなりに必死に気を遣っていたことに自分が気を配ること必死で気がつかなかったし、リーオは俺がもっとリーオの感情を知りたがっていることに気を遣わせないと気を遣うことに必死で気がつかなかった。


「・・・・・・リーオ、いつまで黙ってんだ」

「・・・・・・・・・・」

「俺は、その・・・・・・今のは今までよりお前に何も訊かなかったのに、まだ不満なのか」

「・・・・・・うるさい、エリオット性格悪い」

「な!?お、お前だって抑えなくていいって言ってるのに何度も声抑えて・・・!」

「うるさいな!恥ずかしいから抑えてるんだよ!お、抑えてないと・・・あんな声・・・!」


ぐいと顔を上げられると少し涙がにじんでいた・・・さすがに動揺するが、それならやっぱり俺はリーオに確認を取る羽目になるんじゃないか?と動揺を抑えるように軽くリーオの額に口元の辺りに来るように抱き寄せた。殴られるかな、と思うがそれはなかった。リーオは今度は背中に爪を立てることなく抱きついてくる。


(かわいいな)


自然に浮かんだ言葉に我ながら赤面する、相手は同じ年の少年だというのにそれはないだろう・・・と思うが、こんな風に触れ合っている時点でそう思わないほうが不自然だと自分を無理やり納得させる。

さっきのやり取りを思い出してもう一度少しだけ前髪をはらって直接リーオの額に唇を這わせる・・・・・・とまたさっきと同じ場所に唇が触れると小さくない艶のある声がリーオから漏れた。その声に驚いたが、リーオはもっと驚いたらしく目を白黒させて「・・・信じられない」と漏らした。


(・・・・・・さっき声をかなり上げたから、声が出やすくなってる?)


そうだとしたら、それは面映いような・・・・・・でも少しずつ近づけているのだと感じられる、とてもうれしいことだった。

慌てて手で口を押さえようとする腕を抱きしめて閉じ込める。リーオが口を開く前にもう一度額のその場所に口付けて、そっと舐めた。さっきよりも大きな声が少なくない時間部屋に響いた・・・・・・やっぱりかわいい。


「っ!・・・・・・エリオット、性格悪すぎ・・・・・・最悪だよ」

「・・・・・・本当にいやなら、そこのティーカップで頭をぶん殴ってくれ」

「・・・・・・本当に最悪」

「・・・・・・いちいち訊いて欲しくないんだろう?」

「・・・・・・さいあくだよ、本当に。最悪なのに・・・・・・なんでエリオットが好きでしょうがないんだろ」


爆弾を落としてきた・・・・・・最悪なのはお前だ、どうしてそんなことを言う存在を欲するほどに恋しいと思わないでいられるのか、無自覚すぎる。もうこのまま終わるわけがない。

一回り小さな、愛おしい存在を抱きしめて深いキスをした。ふと口付けているときはあの声が聞けないのだと思うとそれだけは少し残念に思った。




終わり








【 おまけ 】




「最悪、最悪、最悪・・・・・・エリオットのむっつり、変態」

「好き勝手言いやがって・・・・・・声聞きたいって言っただけだろうが」

「うるさいうるさいうるさい・・・・・・今度は僕が押し倒してやる、どんなに恥ずかしいか思い知らせてやる」

「ん?別にいいが・・・」

「はあ!?何あっさり承諾してるんだよ!意味わかって言ってる!?」

「なんでそんなに怒ってるんだよ?俺は前にそうするかって言っただろ」

「簡単に承諾していいことじゃないだろ!痛いかもしれないんだよ、違和感あるかもしれないんだよ、いやかもしれなんだよ!?」

「・・・・・・・・・(ばさ←持っていたシーツの端を落とした)」

「後悔するかもしれないし!エリオットはだいたい・・・・・・って、な、なにその顔?」

「・・・・・・やっぱり、痛かったのか?」

「え?」

「違和感あったのか?いやだったのか?やっぱり・・・後悔してるのか!?」

「な、なに泣いてるんだよ・・・べ、別にそういう意味じゃなくて・・・・・・ああああああ、もうエリオット本当に最悪だよ・・・・・・・って、だからそういう意味じゃないって!!」






本当に終わり











【 あとがき 】


そしてリオエリ編へ・・・・・・(続くか不明)

いや、根本的に七花はリバ体質なので、お互いに1粒で2粒おいしいよねと思う性癖は昔から変わってませんね。二人とも可愛いんだから愛し愛されればいいじゃない。自分がいやなことは好きな人にはしませんよ。でも、するほうはなんか気を遣うよね、特に初心者はって話のはず。

せっかく?R18なのに色気があんまりない感じですみません・・・。

あと裏設定で二人とも14歳くらいの設定です、15歳でもいいけど、16歳だとリミット近づいている気がするのでできるだけ長い間ラブラブして欲しいのです、はい。

エリオットにもっとリーオを翻弄して欲しかったのですが、視点がエリオットだったせいかエリオットの天然さを考えると

・いちいちリーオに痛くないか気持ち悪くないかと確認チェック→いちいち「して」と言わせて無自覚羞恥プレイ状態
・反応するたびにエリオットが止めるので声を頑張って抑える→感じているのかわからないのでまた無自覚放置プレイ

の悪循環のやってるんじゃないかなー・・・と思ったら、こうなりました、はい。エリオットはエドガーばりの神懸りの鈍さだと思ってます。


どうでもいいがリアル朝チュンだ・・・・・・(寝不足的な意味で)。ホワイトデーは3月中ならいいよね・・・(遠い目)。


2012・3・15




  







おまけのおまけのリオエリ