コンラッドの真意(3)












ちょっと疑問





次男は自分の本来の左腕を切り落とされ”鍵”として使われた際の暴走には正当な鍵の持ち主だけが「箱」の

力を制することが出来るから、と眞王にローバルトの左腕を付けるように頼んでいましたが、その割にはその後

の”鍵もどき”の自分の左腕に対する対応がやたらとドライです。次男とベラール2世の会話にもあるように、





「その腕は、今どこにあるのだ?」

「さあ。私にも判りません。(後略)」



「裏マDX!・シナリオ」  p33





「さあ」って!「私にも判りません」って!!

あんた何のためにわざわざ本物の「風の終わり」の鍵を付けたんだよ!!?

自分の腕が「風の終わり」を不完全な形で開けることで箱が暴走するのを止めるためじゃないのか!!?

そんなあっさり放置したらダメでしょうが!!?一回「地の果て」に使われたんだぞ、あんたの腕!!


・・・えーと、どういうことなんでしょ。

いや、もしかして次男は自分の左腕は大シマロンに渡り、今でもベラール2世が持っていて次男には隠している

と思っているんでしょうか?

だとしたら、次男は眞王にだまされてるよな〜。眞王がそんな感じのことを次男にいったわけだし。大シマロンに

は結局次男の腕は渡らなかったんだし。


しかし、いくら何でもこれは次男が愚かすぎるよな、と思うので次男は自分の腕は大シマロンに渡っていないこと

は判っているが、何処に行ったのかは判らない。密かに探させているが自分の腕がなく「風の終わり」が開くこと

はないと判断していたとしても大シマロンと眞魔国の間に戦争を起こさせないためにあえて大シマロンに留まっ

ている・・・・とか。


もしもっと突っ込んだことを考えるなら、左腕を付けた理由が別にある・・・とか?(いくら何でも考え過ぎかな)










で、「世界」




これでかなりの謎は解けたような気もするし、実際そうなんですが・・・まだ気になることがあります。


というか、「裏マDX!」にでたことからこれで伏線確定かなぁということが。




「夏を乗り切って強い子供育つから、七月生まれは祝福される。きっと世界を・・・いえ、きっとすばらしい人物になると思います」

「いずれ、この世の全てがあなたのものになる」


「息子はマのつく自由業!?」  p41 p100




コンラッドの真意(1)でも書きましたが、次男、さりげに何か意味ありげなセリフがあります。

眞魔国の王になることと世界の全てを手にすることは言葉の綾があるとしてもかなり違う。

しかも一回ならまだしも二回ともいっている。しかし、大きくなったユーリには言ったこともない。

さらには、「裏マDX!」では




「大丈夫、俺は死なない。この世界の全てをあなたのものにするまでは、決して・・・・・・」


「裏マDX!・シナリオ」  p05





この世界の全てをユーリのものにするまで死なないといってます。

これは本編にはなかったこのセリフは「裏マDX!」で付け加えられています。

上記のセリフを次男が二回も言ったあとに、このシーンにこのセリフを加えたのは、多分作者様でしょう。特に何

かの読者サービスというものでもなさそうですし。(いや、確かに私にはサービスでしたが)

じゃあ、やっぱりこのセリフは伏線と考えられる。その意味としては




「・・・・・・ここは・・・・・・俺は死んだのか?いや、死ぬわけにはいかない。俺にはまだ、しなければならないことが・・・・・・」



「裏マDX!・シナリオ」   p17




やっぱり次男の元々別の目的が何かあるのかな、ということになるかと。

それは「ユーリが世界の全てを手に入れること」ということがこれで明かされています・・・と思う。

じゃあ、やっぱりコンラッドの真意(1)で書いたように目的は世界征服・・・・?(それはどうか)


次男のしなければならないことが「ユーリを守ること」ともとれますが(根本的にはそれも含まれるでしょうし)、前

述のセリフからそれだけではなさそうです。

だとしたら、次男の離脱にはこれも密かに絡んでいることも考えられる・・・・?じゃないと、目的を達成しようとし

ている描写や行動が見られないし。ユーリの傍でユーリを守ることを離れたことは、確かに腕や大シマロンとの

戦争のこともあるんでしょうが、一見不合理に見えることが何かしらの意味を持っているとも見えなくないです

か?

次男にとってはユーリのそばを離れる以上の不条理はないでしょうに。まあ、あくまでユーリの身が安全だと確

信している場合なので今明かされている理由でも離れることには十分なのですが。

やっぱり謎がまだあるみたいです、次男の胸中には。「裏マDX!」でも明かされていない事実がまだ次男には

ある、きっと、多分。



次男は地球に渡った段階ではこんなことは企んでいないでしょう。まだ、ユーリが生まれてもいないんですから。

でも、美子さんをタクシーに乗っけてるときには「世界」発言をしていることからこの時には「世界の全てをユーリ

に」という構想があると思われます。

ということは、地球にいる間に何かしらの変化があったってこと?

そして、何かを計画して眞魔国に帰ってきたってこと?










ここからは妄想に近いかもしれません。かなり話がそれます。↓











この次男の計画?にボブやグレイブス家は関わっていると思うんですが。

そもそも、地球に来た次男に入れ知恵が出来る人ってボブぐらいしかいないと思うんですよ。

「お嬢様!」では最後の方では次男らしき人が腕を引き取る際に「ある人物に頼まれて腕を取り戻したい」といっ

ていることからもボブはローバルトの左腕が異世界に送り返されたことに一枚噛んでそうです。腕のことを知って

いて次男に関われそうな人物ってボブくらいだし。

そして、次男がこの時点で何かしらの企みを持っていたとしたら、クリスタル・グレイブスも関わっているんじゃな

いか?


何でこんな脈絡のないことを考えるかというと実は橋本さんのせいです。

橋本さんって忘れてる人もいますかね?「めざマ」でユーリに私たち付き合うんでしょうといった女子高生です。

そのあとの展開で橋本さんはアビゲイル・グレイブスの友人であるような描写があります。

アビーは日本にボブに会いに来たと言っていますが、どうやらステイ先は橋本さんのウチのようです。


まあ、グレイブス家の人間の友人がたまたまユーリの知り合いで、たまたまユーリに再会する、それだけなら

偶然であり得るかもしれませんが、多分次男の計画の中心であろうユーリにいきなり




「(前略)これから付き合っていくのにさ(後略)」

「だって渋谷くん、今、彼女いる?」


「めざせマのつく海の果て!」  p18




ということは何か策略を感じませんか?結構重要人物と思うんですよ、橋本さんは。


アビーやボブ、橋本さんが次男の計画に関わっているという根拠は何にもありませんが橋本さんの後ろには次

男と関わってそうなボブと次男が鍵の奪還を依頼したクリスタルの娘(多分)であるアビーがいることを考えると

ユーリに「私たち付き合うんでしょ」と言ったのには何かしらの意味があるのでは・・・何て考えてます。

もしかして「”鍵”の血縁者・・・?」とまで妄想しました。謎です、彼女は。








あとがき




「コンラッドの真意」。かなり長くなりましたが、これで一応終わりです。

最後のほうは次男というより橋本さんの話になってしまいましたが、「裏マDX!」を聞いて感じた次男の真意に

関する考察はこれで一応終了です。

こんな長い文にお付きあいいただきありがとうございました。